肺ガンで亡くなった私の父
ヘビースモーカーを超えて、もはやチェーンスモーカーとなっていた夫を、たった数時間で禁煙に導いだ私の母。
母は夫に一体何を語ったのでしょうか。
母は私の父、つまり自分の夫がいかにして亡くなったかを、私の夫に語ったのでした。
私の父は肺ガンで私がまだ高校生の時に亡くなりました。
病院のベッドの上で、咳き込みながら血を吐く、壮絶な最後だったそうです。
肺ガンの原因はタバコ。私の父も、ヘビースモーカーだったのです。
母は自分の夫の身体に異変を感じた時から、その様子や受けた治療、飲んだ薬などを細かく記録していました。
その記録は大学ノート5冊分にも及び、レントゲンや吐血した時の写真なども添えてありました。
夫を肺ガンで亡くした事、タバコをやめさせる事ができなかった事で母は心を痛めていたのです。
ノートを前に淡々と自分の夫の死に様を語る母。
その話を真剣な表情で聞き入る私の夫。
夫はタバコの恐ろしさと、自分が何をすべきかをはっきりと悟ったのだそうです。■
「オレ、タバコをやめる!」
ヘビースモーカーを超えて、もはやチェーンスモーカーの夫。
ある日のこと、そんな夫を私の母は呼び出しました。
夫は首をかしげながら母親から指定された場所へ向かいました。
そして数時間後、思いつめたような表情をして帰宅した夫は、「オレ、タバコはもうやめる!金輪際吸わない!」そう言うと、タバコが入った箱をグシャッと握りつぶし、灰皿を捨て、喫煙部屋にあった空気清浄機のコンセントを外しました。
そしてその言葉通り、それ以来一本もタバコを吸わなくなりました。
あれほど何度もチャレンジしては失敗してきた「禁煙」に、たった一日、たった数時間で成功したのです。
後日、母親が夫に何を語ったのかを聞いて、私は心から驚きました。■
車内も真っ黄色・・・
ヘビースモーカーを超えて、もはやチェーンスモーカーの夫。
普段乗っている車の中でも、当然のようにタバコを吸い続けます。
車は内装やシート、マットなどがタバコの煙が染み込みやすいようで、乗った瞬間ものすごいニオイがします。
エアコンをかけるとクサイ風が吹き付けます。
ハンドルはベタっとしていて、窓は黄色いフィルムが貼ってあるようです。
タバコのヤニは、ぞうきんで拭き取った位では落ちません。
熱いお湯を直接かける位しないとダメなのですが、それはなかなか難しいので、ゴム手袋をした上で、熱湯に浸したぞうきんを絞って拭き取ります。
ガラスやプラスチックはそれで落ちるのですが、シートや天井はどうにもなりません。
娘も大きくなってきて、ここに行きたい、お出かけしたいと言うようになりました。
ですが、こんな車ではとてもお出かけなんかできません。■